『グアンチャーレ』
Guanciale Crudo
豚肉万歳!脂身万歳!
トントロ部位の生ベーコン
グアンチャーレとは、いわゆるトントロ部位で作った、パンチェッタのような生ベーコン・・という説明が近いでしょうか。
イタリア語で「グアンチャ guancia」は頬(ほお/ほっぺた)という意味。豚のホホ肉を塩漬けして、香草やスパイスをまぶして生のまま熟成させる作り方で、主に中部イタリアで作られる伝統的な畜肉加工品(サルーミ)です。
イタリア料理の魅力・醍醐味の一つとして挙げられるのは、パスタとピッツァのみならず生ハム、サラーメ、サルシッチャ(salsiccia )といった豚肉を加工した食材の豊富さ!
生ベーコンとも言えるパンチェッタも有名ですが、パンチェッタにとてもよく似た生肉保存食のグアンチャーレ(guanciale)はご存知でしたか?^-^
さらにもう少しマニアックなイタリア食材としては「スペック Speck」という、これまたスモークベーコンに近い加工肉がありますが、どちらかと言うと燻製された「生ハム」です。
グアンチャーレを使った美味しいイタリア料理の作り方や食べ方、パスタレシピも紹介してきますね♪
↓まずは定番!
カルボナーラのレシピ・作り方はコチラ!
グアンチャーレは脂が旨い!
美味しい食べ方・使い方
本場のローマ料理のレシピでは、「カルボナーラ」や「アマトリチャーナ」といった代表的なパスタには欠かせないグアンチャーレ。
日本ではパンチェッタの方が知名度・使用度ともに一般的です。今では少し大きなスーパーなら小さな小さなブロック(カケラ?)ながら真空パックされたものが売られていると思います。本来は大きな一枚のブロック肉ですがスライスや拍子切りにした短冊状の形をイメージすることが多いと思います。
90年代はもちろん、2000年前後でも成城石井やカルディくらいでしか購入できなかった記憶がありますね。はたまた「ジローラモさん」ことパンツェッタ・ジローラモ氏とごっちゃにされちゃうくらい未知の存在だったわけです(笑)
豚バラ部位である三枚肉から作るパンチェッタに比べてだいぶ脂身の層が厚くラルドに近いのが特徴の一つ。
特に絶品なのは、ボッテガ・ディ・アドというトスカーナ州の生産者が手掛ける生グアンチャーレ!アド社は「ラルド・ディ・コロンナータ(Lardo di Colonnata)」という背脂の生ハム作りの名手です。
日本ではベーコンの馴染みから、豚バラ部位のパンチェッタを使うことが多いのですが、やはりグアンチャーレの持つ脂の風味、コク、甘味は捨てがたいですね♪ オイルを一切敷いていない、空のフライパンで直に加熱するだけで、透き通った脂身の部分からジワジワと・・ みるみる内に上質のラードが・・
『何だこりゃ!』てくらい旨い脂が滲み出ます!
こうなったら、いっそバターも足さず、
豚肉万歳! 脂身万歳!てのも、もちろんOK♪
アマトリチャーナなども、やはり脂の旨さで決まるのも確か。 もちろん、料理はバランスなので、油分が過剰なら思い切って少し捨てる勇気も・・ (他の調理に転用も◎ ラードで野菜やお芋を炒めると美味しいですし~♪)
パスタはもちろん、軽く炙ってグリル野菜に添えたり…
パンにのっけてクロスティーニにしたり♪
Dove e Come Nascono
◆イタリア食材探訪◆
~i Sapori Italiani?~
豚ちゃん脂の真髄を味わい尽くそう!
『グアンチャーレ』とは?
グアンチャーレ(guanciale)とは、豚のほっぺたを塩漬け&熟成させた中部イタリア特産のハム・サラミ類の一種です。 とはいえ、豚の頬肉ってなんか馴染みがない・・? いえいえ、部位としてはトントロです。
ほぼまったく同じ製法で、三枚肉(バラ)から作られるパンチェッタと比べても、かなり脂身主体だから日本ではマイナー食材になっているのかな?(笑) でも、当然ながら一般的なベーコンとは一線を画するものがありますよ!
おなじみ「カルボナーラ」や「アマトリチャーナ」といった代表的なパスタ料理のレシピには、実は欠かせない存在なのでした。
伝統的なローマ料理が、グアンチャーレやパンチェッタのような高カロリーの食材を用いるのは、昔の労働者たちが主要な栄養源とするための料理だったという歴史的な背景があるそうです。 多くの貧しかった人々にとって、肉体労働が主体となる日常の中での塩分と油脂の摂取は必要不可欠であったのでしょう。
飽食の現代においては、食はライト化の一途を辿っていくべきが必然の姿なのだとは思いますが、時には昔ながらの味覚を体感することも、イタリアの食文化を楽しむ醍醐味かもしれませんね。
グアンチャーレを『ラルド・ディ・コロンナータ』の製法で!
さて、その作り方については後述しますが、『ラルド・ディ・コロンナータ』の生産者であるアド社のグアンチャーレは、ラルドの大理石槽熟成の仕込み方法を応用した独自の製法。
それゆえに他社のグアンチャーレより驚くほど脂の質がスッキリと仕上がっています! 胃もたれをご心配されている方も、どうぞ機会がありましたらお試しになってみて下さいね(^-^)/
創業1891年 老舗ラルド屋 発!
『生グアンチャーレ作り方』
トスカーナ州コロンナータ村に伝わる、巨大な大理石を削り出し作られた石槽で生肉を熟成させる伝統製法を受け継ぐアド社。名人と謳われたアドルフォ・バルデーリの遺志を受け継ぐ二人の孫・・ マウリッツィオとジャンニの兄弟が熟成させる『グアンチャーレ・クルード』は、祖父の腕に恥じない極上の味わいを現代でも体現しています。
『トスカーナ山奥のラルド屋が作る!』
グアンチャ(豚ほほ肉)の上に香草をまぶし60日間の熟成。(胡椒、にんにく、アサツキ、シナモン、ナツメグ、ローズマリー等)老舗アドの作り方は、外で乾燥熟成はさせない製法なので、「生」!新鮮で分厚い豚ほほ肉、挽き立てハーブの香り高さが活きてます
『コロンナータの大理石槽で熟成!』
大理石の桶の中、職人がグアンチャーレを交互に寝かします。複雑な熟成香と絶妙な塩加減の、透きとおる白さの脂に変貌!
名採掘地コロンナータの大理石を削り出した熟成用の石槽
この地の大理石はミケランジェロのダビデ像にも使われたそう!特産となる「ラルド・ディ・コロンナータ」を輩出しました
『伝統的ラルド製法の理に習う!』
大理石槽を用いる独特な製法には、科学的な根拠もあります。含有する高濃度の炭酸カルシウムは肉の熟成に最適な環境を整え、脂身のコレステロールを分解、成分的にほぼ植物性に近くなる!(それが、豚の背脂であるラルドすら上品な口溶けとなる理由)
まさに長い歴史で経験的に積み重ねられた英知!
◆ 創業1891年 トスカーナ・コロンナータ村のラルド生産者 『ボッテーガ・ディ・アド社 Bottega di Ado』 ◆
伝統的なラルドの製法を受け継ぎ、古の知恵を現代の技術に応用した高級スローフード!
『厳選した最良の肉に、最良のスパイスと使うこと。そして、なによりも・・・ 心をこめて誠実な仕事をすること。 これが私だけの秘密のレシピだよ。』アドルフォ・バルデーリ
豚ホホ肉だけに、ほっぺたの皮も付いたまま塩漬けされています。この面(つら)の皮、食べるには厚いので切るときに取り除く必要がありますが、スープや煮込み料理に一緒に入れてあげると、とてもコクのある出汁(ダシ)となります。 サラミ(サラーメ Salame)や生ハムの切れっぱしとかもそうですが、冷凍して取っておくと便利♪ たとえば、『白インゲン豆のトマト煮込み』なんかに抜群の相性ですよ~